ミナミカゴカマス Silver gemfish
最大 Max size: 全長 120cm TL
生息層 Depth range: 100m-800m


●形態・特徴: 青みがかった背部に青緑を帯びた輝く銀色。背鰭前部外縁近くには大きな黒い斑紋が1つある。両眼間域中央部に半透明な部分がある。バラクータに似るが、より体こうと厚みがあり、腹鰭が非常に小さい。また側線が途中より2本に大きく分かれる等の特徴から容易に判別する事ができる。平均で60cmから90cm、2.4kgから4.5kgほどになり、大きな物は120cmまで育つ。ニュージーランド水域にはSilver gemfishと同じRexea属はもう一種類Longfin gemfishが生息する。Longfin gemfishはより北部に分布し、胸鰭が非常に長く、側線が波状にならない等の特徴で見分ける事ができる。

●生息環境: ニュージーランド全域の幅広い層に生息しているが水深150mから500mに多く見られる。大陸棚とその沖の斜面の水深800mまでに生息。オーストラリア南部と南東部、タスマニアにも分布している。

●釣り: 深海釣りの対象魚としてポピュラー。ハプカやバスを狙った釣りで一緒に掛かる。歯が非常に鋭いため長い針かワイヤーを使った方が確実に釣れる。アジア人、白人問わず味が良いのは有名で人気が高い。

●食味: 主要な商業対象の魚の一つであり毎年多くの魚が日本にも輸出されている。流通名はギンサワラで、その味はサワラに似る。本種はクロタチカマス科でサワラはサバ科、生物学的には近く無い。 旨味が強く上品な味の白身魚で非常に美味い。ニュージーランドの現地でも人気が高く西洋風な料理でも美味しく食べられる。調理方法はサワラと同じで、味噌漬け、塩焼き、ムニエル、鍋物、燻製など何にでも合う。脂分が多めなので火を通した調理法に向くが、鮮度の良いものであれば刺身にしても良い。刺身の際には寄生虫に注意。三枚におろした場合、背方前方の皮目には無数の小骨があるが皮に包丁を細かく入れて骨切りすれば問題なく食べる事がができる、後部や腹部の皮目には小骨は無く そのまま調理する事が出来る。

●その他: 阿部宗明博士により1990年にミナミカゴカマスと和名提唱される。別名Silver kingfish, Southern Kingfish, Manga。



11th November 2012 Mayor Island 全長78cmTL

11th November 2012 Mayor Island 全長76cmTL

21st September 2007 Fish Mart(Fish Shop), Auckland 全長76cmTL